各SNSの圧縮品質を実測してみた — InstagramはJPEG 85%、XはJPEG 70%相当
「投稿したら画質が落ちた」という経験は誰でも一度はあると思います。 SNSが画像をどの程度圧縮しているのか、同じ画像を6つのSNSに投稿して実際に計測してみました。
私はSNS特化の画像リサイズツール「SizeKit」を開発しています。 ツールにSNS圧縮シミュレーターを実装するにあたり、 各SNSの実際の圧縮品質を調べる必要がありました。 この記事はその調査記録です。
調査結果サマリー
| SNS | 推定品質 | 最大解像度 | 圧縮強度 |
|---|---|---|---|
| X (Twitter) | 70% | 2048px | 強 |
| LINE | 75% | 1920px | 中強 |
| 80% | 1200px | 中 | |
| 85% | 1080px | 中弱 | |
| 85% | 2048px | 中弱 | |
| YouTube | 90% | 1280px | 弱 |
※ JPEG quality値はCanvas API (toDataURL) を使った逆算による推定値です。
調査方法
テスト画像として、グラデーション・テキスト・写真の3種類を用意しました。 各SNSに投稿したあと、ダウンロードした画像をCanvas APIで開き、toDataURL('image/jpeg', quality)で生成した画像と目視・ファイルサイズの両面で比較しました。
また、コミュニティによる先行調査(Reddit・海外テックブログ)とも照合しています。 品質値は厳密に一致するわけではなく、プラットフォームの仕様変更や画像の内容によっても変わりますが、 おおむね±5%の誤差範囲で一致しています。
推定精度について
SNS各社は圧縮アルゴリズムの詳細を公開していません。 この記事の数値はCanvas APIによる逆算と複数のコミュニティ実測をもとにした推定値です。 参考値として読んでください。
SNS別の圧縮品質詳細
𝕏 X(旧Twitter)圧縮が最も強い
6つのSNSのなかで最も圧縮が強く、JPEG quality 70%相当と推定されます。 写真にXらしい「ざらっとした質感」が出るのはこのためです。 特に空のグラデーションや肌の階調など、連続した色変化を含む画像では差が出やすい。
PNGでアップロードしても自動的にJPEGへ変換されます(ファイルサイズが5MBを超える場合など条件あり)。 テキストが入ったサムネイル画像はPNGのまま投稿したほうがにじみが少ない場合があります。
推定品質:JPEG 70%
最大解像度:2048px(長辺)
対策:投稿前にJPEG 90%以上でエクスポート。テキスト入りはPNGで試す。
💬 LINE
JPEG quality 75%相当と推定されます。 スマートフォンのトーク画面での閲覧が前提のため、最大解像度は1920pxと大きめですが、 圧縮は強め。写真を送るとき「なんか荒れてる」と感じる原因の一つです。
LINEのKeepやアルバムに保存した画像と、トークに直接送った画像では圧縮の挙動が異なります。 今回計測したのはトークに直接送った場合の値です。
推定品質:JPEG 75%
最大解像度:1920px(長辺)
対策:重要な画像はオリジナル画質設定(Keep)で送ることを検討。
JPEG quality 80%相当と推定されます。 ビジネスSNSとして写真の見栄えを重視しているのか、Xほどの粗さは出ません。 ただし長辺を1200pxまで縮小するため、大きな画像をそのままアップすると縮小による劣化も加わります。
推定品質:JPEG 80%
最大解像度:1200px(長辺)
対策:事前に1200pxに合わせてからアップすると縮小による劣化を防げる。
JPEG quality 85%相当と推定されます。 Xと比べると圧縮はかなり穏やかで、写真の色再現性は高い部類に入ります。 ただし長辺が1080pxを超えると自動的に縮小されるため、投稿前に長辺1080px以内に揃えるのがベストプラクティスです。
フィード投稿(正方形・横・縦)・ストーリーズ・リールで処理が若干異なります。 ストーリーズは縦型(1080×1920px)に最適化されており、 それ以外のサイズだとクロップや余白が発生します。
推定品質:JPEG 85%
最大解像度:1080px(フィード投稿の長辺)
対策:事前に1080px以内にリサイズ。写真ならJPEG 90%でエクスポートすれば十分。
JPEG quality 85%相当と推定されます。 Instagramと同じMeta傘下のため、圧縮の傾向が似ています。 最大解像度は2048pxまで許容されており、高解像度を保ちながら投稿できます。
推定品質:JPEG 85%
最大解像度:2048px(長辺)
対策:高解像度に強いのでJPEG 90%以上で用意しておけば安心。
▶ YouTube
サムネイルに限ればJPEG quality 90%相当と推定され、6つのなかで最も高品質を保ちます。 サムネイルはクリック率に直結するため、画質劣化を抑えているようです。 動画のサムネイルは1280×720px(16:9)が推奨サイズです。
推定品質:JPEG 90%(サムネイル)
最大解像度:1280 × 720px
対策:1280×720pxで用意すればそのまま使える。WebPも受け付ける。
70%と85%の差は実際どれほど?
「70%と85%なんて大した差じゃないでしょ」と思うかもしれませんが、 JPEG品質はリニアではなく指数的に変化します。 70%は85%に比べてファイルサイズが30〜40%小さくなる一方、 視覚的な劣化も目に見えて増えます。
特に差が出やすいのは次のようなケースです:
- 空・海・肌など連続したグラデーション — 70%ではバンディング(段差状の色ムラ)が出やすい
- 文字や細い線が含まれる画像 — エッジにモスキートノイズが出る
- 暗部の多い写真 — シャドウにブロックノイズが出やすい
逆に、差が出にくいケースもあります。 すでに圧縮されたJPEG写真(スマホで撮った写真など)をそのままアップする場合、 元の圧縮と重なって劣化がマスキングされることがあります。
投稿前にシミュレーターで確認する
この調査をもとに、SizekitにSNS圧縮シミュレーターを実装しました。 画像をアップロードしてSNSを選ぶだけで、各プラットフォームの圧縮後の見え方をブラウザ上で再現します。
スライダーで元画像と圧縮後を並べて比較できるので、 「このままXにアップしたら荒れるな」とか「Instagramなら許容範囲だな」というのが投稿前に判断できます。
SNS圧縮シミュレーターを試す →まとめ
- SNSは投稿画像を自動的に圧縮する。プラットフォームによって圧縮の強さは大きく異なる
- 最も圧縮が強いのはX(JPEG 70%相当)。グラデーションや細部のある画像で差が出やすい
- Instagram・Facebookは85%相当でバランスが良い。長辺サイズを合わせておくことが重要
- YouTubeサムネイルは90%相当と6社で最も高品質
- 対策として、投稿前にSizekitのシミュレーターで仕上がりを確認できる